2017/7/22(土)昼劇団都明生座

より続き

順不同になりましたが

2部お芝居喧嘩屋五郎兵衛

配役

喧嘩屋一家

五郎兵衛親分都京弥座長

下緒の伊之助光乃みな花形

若い衆政京乃健次郎さん

若い衆京乃廉さん

若い衆京乃そらさん

若い衆劇団大道司春香副座長

五郎兵衛の姉お吉藤乃かな座長

八百源城麗斗副座長

八百源の女房星乃ななみさん

桜木屋の娘華乃せりなさん

あらすじ

1幕喧嘩屋一家

紋付羽織を着た八百源が、親分を呼んでほしい。とやって来る。

若い衆に呼ばれてやって来た五郎兵衛に、目出てえ話があるんです。おかみさんを貰うつもりはないですか。七日前、桜見物で、二、三人のごろんぼに絡まれているお嬢さを助けた覚えはないですか。桜木屋のお嬢さんで、その日以来、恋煩い。お嬢さんと一緒になってくれませんか。と尋ねる八百源。

きっぱり断る。桜木屋のお嬢さんと言えば、小町と言われる程の娘。提灯に釣り鐘、つり合わない。この話は、俺の方から断る。と答える五郎兵衛。

お嬢さんは、私は、顔や形に惚れたんじゃありません。助けてくれた優しい心に惚れたとと言う八百源の言葉に、五郎兵衛は、この縁談を了承する。

家で待っているお嬢さんに、直ぐに知らせたいと帰ろうとする八百源に、この縁談が、人間違い、破談だと言う事はないだろうな。と尋ねる五郎兵衛。

八百源は、この縁談が、人間違い、破談だったその時は、あっしの汚い首を掛けましょう。と答え帰って行く。

五郎兵衛は、有難うな。と、八百源を見送る。

五郎兵衛は、伊之助を呼び、結納金を持って行ってくれ。と頼む。

盃を貰ったばかりの自分よりと、一旦は断る伊之助だが、行って、男になって来い。と言う五郎兵衛に、万事は、あっしに任せておくんなさい。と出かけて行く。

2幕八百源の家

帰って来た八百源から、五郎兵衛親分は、縁談話を了承し、今夜にでも仮祝言を挙げよう。結納金は、直ぐに届ける。と聞き、喜ぶ女房とお嬢さん。

そこへ、伊之助が、預かった結納金を持ってやって来る。

伊之助の顔を見た女房とお嬢さんは驚く。

その様子にすぐさま帰って行く伊之助。

何で、親分自ら、結納金を持って来るのか。と尋ねる女房に、何、言ってるんだ。あの人は、五郎兵衛親分の所の若い衆の下緒の伊之助さんだ。と答える八百源。

女房は、お嬢さんが好きになったのは、あの人だよ。と言う。

助けてもらった時に名前を尋ねると、喧嘩屋一家のと名乗ったと言う女房に、やくざって言うのは、先に一家の名前を言い、それから自分の名前を名乗るものなんだよ。と言う八百源。

女房は、断って来て。言うが、俺は行かない。と言う八百源。出刃包丁を持出して来た女房は、行かないなら、死ぬから。と言うと、ばあやと一緒に死にます。と同調するお嬢さん。

仕方なく、喧嘩屋一家に向かう八百源。

3幕喧嘩屋一家

若い衆が、八百源、桜木屋のお嬢さんの来るのが遅いと気を揉んでいるところへ、酒に酔った八百源がやって来る。

五郎兵衛を呼べ。と、親分を呼び捨てにされ怒る若い衆と揉める八百源。

そこへ、五郎兵衛がやって来る。

桜木屋の娘の姿がなく、結納金が不足か。と尋ねる五郎兵衛に、結納金に不足はなかったけれど、親分さんが不足。と答える八百源。

五郎兵衛が、誰と間違ったんだ。と言うと、八百源は、親分さんの所の若い衆の下緒の伊之助さん。と答える。

祝言だけは、挙げさせてくれ。親分衆の帰る間、五郎兵衛の女房としていてくれたら、裏から、伊之助と逃がしてやる。祝言を挙げれば、俺の男が立つ。と両手をつき頭を下げて頼む五郎兵衛に、

八百源は、そんな事をしたら、お嬢さんは傷者になる。人間三分に化け物七分。化け物面。と言う。

怒った五郎兵衛が、八百源を斬ろうとするところへ、五郎兵衛、五郎兵衛、五郎兵衛!とお吉がやって来て、止めに入る。

今の話を残らず、聞かせてもらいました。

五郎兵衛は、生まれ持ってのこの顔じゃないんです。私がしてしまったんです。二親を亡くし、私が十二、五郎兵衛が八つの時、冬の寒い時に、蜆取りが元で、高熱を出してしまってね。近所のおばさんに聞き、山に薬草を取りに行き、かんてきで煎じたんです。畳の縁につまづき、煮えたぎった薬草を五郎兵衛に掛けてしまったんです。

姉ちゃん、痛い。熱い。助けてくれ。と言う五郎兵衛の言葉、耳に焼き付いています。

若い者の来手はあっても、女房の来手はなかった。私も所帯を持つつもりはなかったが、五郎兵衛が、お前は女だと言ってくれて所帯を持ちました。姉の私が出来なかった縁談話を持って来てくれたのは、八百源さんと聞き、何度も、何度も、お前さんに手を合わせて、礼を言いましたよ。

おかみさんと妹さんと三人、よその土地に行って、仲良く暮らしなさい。五郎兵衛からの駄賃です。と結納金を差し出すお吉。

桜木屋のおぼこ娘じゃ、喧嘩屋の女将さんにはそぐわない。家風に合わない。五郎兵衛から断った縁談話ですよね。と八百源に念押しするお吉。

五郎兵衛親分、許しておくんなさい。と帰って行く八百源。

よく辛抱しておくれだったね。それでこそ、喧嘩屋五郎兵衛。女房なんて要らないだろう。お前の事を慕ってくれる若い者がいるじゃないか。良い男だよ。日の本一の良い男だよ。と言い部屋を出ようとするお吉の着物の袂を握り、泣き出す五郎兵衛。

一人になった五郎兵衛は、刀に映る自分の顔を見て、ひとり泣く。

そこへ、あっしの訳を聞いて下さい。と、伊之助がやって来る。

聞くだけは聞いてやる。と答える五郎兵衛。

七日前の桜見物で、二、三人のごろんぼに絡まれている人を見かけ、親分の助けてやりなとのお言葉に助けに入りました。名前を聞かれ、喧嘩屋一家の下緒の伊之助と名乗るところを、人波が通り、言えなかった。ちゃんと言わなければと追いかけましたが見失い、親分の名前を悪い事に使った訳ではなく、良い事に使うったのだからとと、訳を話す伊之助。

やくざにとって大事なのは、てめえの名前と面なんだ!勝負しろ。勝った方が、桜木屋のお嬢さんと一緒になる。と言う五郎兵衛に、親に向ける刃は持ち合わせていません。と言う伊之助。

しかし、五郎兵衛は、先に裏山に行く。逃げ出さずに出向いて来い。と言い裏山へ。

刀を持って、後を追いかける伊之助。

4幕裏山

高知れた女の事で、若い者を手に掛けるのか。と言うお吉に、俺の気持ちが分るか!と怒鳴る五郎兵衛。

お吉は、これを使いなさい。刃止めはしてある。切先はそのまま。斬れないが突ける。と、刀を五郎兵衛に差し出す。

そして、気の済むまで、正堂とおやりなさい。見届け人はこの私だ。と言う。

しかし、伊之助は、自ら、自分の首を斬り付ける。

止めを刺そうとする五郎兵衛を止めるお吉に、やかましい!と刀を突きつける五郎兵衛。

お吉に、頬を打たれた五郎兵衛は、自らの腹を突く。

五郎兵衛は、親分!親分!と、泣き叫び駆け寄る若い衆の一人一人の肩を抱く。

それから、姉お吉の着物の袂を握りながら、腹に突いた刀を抜き、息絶えている伊之助の許へ行き、抱き寄せる。

そして、自らも息絶える。

親分!と泣き叫ぶ若い衆に、みんな、今日までよく五郎兵衛に尽くしてくれたね。有難うよ。もしも、来世と言うものがあって、五郎兵衛と巡り会ったその時には、また、五郎兵衛の側にいてやってか?と言うお吉に、皆は、はい。と答える。

お吉は、有難う。と言い、自分の羽織を伊之助に掛け、手を合わす。

それから、五郎兵衛の傍らに行き、火傷痕を、優しく撫でると、五郎兵衛!と涙する。

他劇団では、姉ではなく、兄の朝比奈藤兵衛。

桜木屋のお嬢さんへの執着、やくざの親分としてのプライド等よりも、姉弟愛に重きを置いた演出で、ドロドロ感があまりなく、女性に見易いお芝居だと思いました。

口上

五郎兵衛都京弥座長

このお芝居で、頬を打たれたのは久だと

伊之助光乃みな花形

へ続く